武悪とも書きます。能面・癋見の影響を受けながら、上歯を一文字に見せているとこらから、不癋(べしまず)といわれ、後に癋の疒がとれて《不悪》から武悪(ぶあく)になったという説など、様々な名称の由来があります。武悪の形態については、舞楽面からの脱化、インド人の顔からの着想など、名称も悪には「剛」の意の説がありますが、不明。狂言の鬼や閻魔の性格は複雑で、「清水」「伯母ヶ酒」などでは鬼に化ける仮装の道具としても用いられ用途が広く、青武悪・黒武悪や子供用に創作された小武悪などもあり、面打ちによりさまざまな表情が考案されたものと思われます。

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