武悪とも書きます。彩色が白みがかっており、『白武悪』(しろぶあく)の銘をもちます。額の濡れ毛描きや目が極端に下がり顎を強く張っているのが特徴です。『武悪』とは「強く猛々しい」という意味で、力感に満ち格調高く武悪の典型面です。武悪の形態については、舞楽面からの脱化、インド人の顔からの着想など諸説あります。「怒るが如く、泣けるが如く、笑うが如く」と言い得て妙であります。名称も悪には「剛」の意の説があり、狂言の鬼や閻魔の性格を表しています。

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