蛭子・恵比寿とも書きます。狂言の夷は「西の宮の夷三郎」と名乗ります。兵庫県西宮神社はエビスの本社としていまも栄えています。白い顔で延命冠者(えんめいかんじゃ)の脱化面で、角度のある三日月目と大きく開いた口が笑いの表情を濃くしています。豊かに肥った、いわゆるエビス顔のものが多いですが、こちらはスリムなのが特徴です。もとは漁業の守護神で、狂言でも右手に釣竿、左手に鯛を抱えています。「福の神」の専用面が創作されるまでは、この面が兼用されていました。

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