仏教諸尊の中で、密教の伝来と共に登場した明王部の主尊である不動明王は能楽にも姿を見せ、『調伏曾我』(ちょうぶくそが)で舞います。金剛家の祖先が不動明王の尊像の御顔を欠き取り、面に仕立てたところ、仏罰を蒙り、鼻が腐り落ちた等、伝説に事欠かぬ面です。仏像に近い造形で、彩色は群青の岩絵具でなされていて、面裏は黒褐色の漆で仕上げてあります。不動明王は大日如来が悪魔と戦う時に変身する姿です。五智如来⇒大日如来、阿弥陀如来、宝生如来、不空成就如来、アシュク如来五大明王、不動明王、大威徳明王、軍茶利明王、金剛夜叉明王、降三世明王如来、の変身した姿⇒明王。菩薩は如来になるべく修行している姿です。

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