賢徳の呼称はモデルにした高僧の名などの説もあり、「見徳」とも書きます。瞳孔は左右どちらか横上を見ています。小鼻の左右が円型にへこんでいるのが特徴。動物を人格化した「とぼけた面」で、これが黒頭をつけ両手両足を地につけると馬にも牛にも犬にも見えるのは不思議です。後に写実的な馬や犬の面も作られたが、やはり賢徳がよいと定着するのは、この種の面が狂言の意図する上質のユーモアをたたえているからであろう。

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