小飛出は工作上、大飛出をそのまま小ぶりにしただけのものではありません。眼の金具を小さくしていますがその周囲に朱をそそぎ、赤い舌をのぞかせた口も鼻すじも小さめで、耳がありません。彩色は濃い肉色の代赭です。精悍な鋭さのあふれた面です。したがって、大飛出が大らかな天上の神なら、この小飛出は地上を軽快にかけめぐる神の面として、一種の超人的な存在として狐神や妖精のたぐいに用います。

inserted by FC2 system