小町については、その出身も諸説紛々としていて、いずれも確証がありません。宮仕えして中宮あるいは采宮となったといいます。「万葉集」の清純で素直な歌風をうけつぎ、しかもなお、なよやかな王朝的浪漫性を歌いあげた人として認められ、六歌仙のなかの唯一人の女性です。このように歌の才にもすぐれ、若い頃は容姿もまた、並び無い美しさだったと伝えられています。かつては絶世の美女とうたわれた小町も百歳に近く年老い、見るにしのびない有り様となってしましました。

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