万媚は古源介と本願寺の坊官であった素人ながら金春の能の名人と云われた下間少進と面工出目源助秀満が共同で創作した妖怪変化の女面と云われ『紅葉狩』(もみじがり)の鬼女の前身に用いるための面とも云われています。小面に似ていますが、毛描きは稍乱れ、三筋添毛の一番外側の一本が途中から内に入っているのが特徴で、ずっと人間臭く色気の多い面です。見開かれた目元、口元に媚を含んでいる所から万媚の銘を得たという。金春、喜多流に主に用いられ、三番目物にかける。『紅葉狩』(もみじがり)『殺生石』(せっしょうせき)に用いられます。

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