前シテ：喜多流　松井 彬　　　　　　　面：釈迦　/　宗衛　打

　西塔（さいとう）に住む老僧の前に山伏姿の天狗が現れ、命を助けられた報恩に僧の望みをかなえると言い、僧は釈迦が霊鷲山（りょうじゅせん）で説法した様子を見たいと望みました。
　引き受けた天狗は、｢決して信心をおこすな｣と念をおし姿を消します。

後シテ：喜多流　松井 彬　　　　　　　面：釈迦下　/　宗衛　打

　

　老僧が目をふさいで待っていると虚空に音楽が響き、天狗が釈迦の姿となって表れ、僧に大会（だいえ）を見せる。
　その時　老僧は思わず一心に合掌し恭敬礼排（きょうけいらいはい）したために帝釈天が天くだって、天狗をこらしめたので天狗の幻術は破れ、帝釈天は雲路をさして天に帰り、天狗は深谷の洞窟に入った。