前シテ:喜多流 松井 彬       面:増女 / 宗衛 打

 ある理由で、この寺の鐘が無くなってしまって久しいが、「新たに作らせた鐘をつり、鐘の供養を行おう」と述べ、「供養は女人禁制である」と告げます。 この近くに住む女が鐘の供養に道成寺へ向かいます。「女人禁制」と聞いた女は「鐘の供養に舞を奉納しに来ました」と言うので、能力は、「乱拍子(らんびょうし)を舞うという条件なら」と言い供養に参加することを許可します。 女は舞を舞い、能力たちの隙を見て鐘を落とし中へ姿を消してしまいます。

後シテ:喜多流 松井 彬       面:白般若 / 宗衛 打

 
 轟音に驚いた能力たちが様子を見に行くと、鐘は熱く煮えたぎっていました。 このことを僧に報告すると、「昔一人の山伏が女に追われこの鐘の中に身を隠したが、恋に狂った女が大蛇となり鐘に巻きついて焼き殺してしまった」という話を語る。 僧が従者とともに鐘のもとで念仏を唱えると、鐘はひとりでに鳴り、激しく動き出す。程なく鐘が吊り上げられると、恐ろしい蛇体が姿を現し激しく攻めかけてくる。僧たちは法力を尽くし祈り伏せ、ついに大蛇は日高川へと飛び込んで姿を消しました。
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