天満大自在天神の略称で菅原道真が神に祀られる以前の忿怒相を表現した面であるともいわれています。今日、全国津々浦々に祀られている天満宮は、菅公を天神さんと呼んで、詩歌風月を賞でる風流な神として、また学問の神として親しまれています。一般には神話に出て来る神々や仏教の天部の神々としての面に用いられます。しかし、能曲に登場する菅公『太平記』の記事にもとづいて書かれて瞋恚のほむらに身を焼く悪鬼として扱われています。口を半ば開き周囲の鬚をピンとはね上げ、眉間を寄せ憤怒の相を表し褐色系の肌色彩色であるので、大飛出に比べ人間味の強い面で、脇能の『金札』(きんさつ)の大玉命、『絵馬』(えま)の手力男命、『舎利』(しゃり)の韋駄天等に用いられます。

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