単に老女というだけでなく、神格化した化身として登場する事が多い。『高砂』(たかさご)『絵馬』(えま)『嵐山』(あらしやま)のツレや『摂待』(せったい)のシテ、『当麻』(たえま)の前シテなどに使います。一体に穏やかな表情をしていますが、『摂待』のシテは、息子の最後の有様を聞きたい一念で、執念だけで生きている、という役柄なので、かなり険しい顔の姥が向くようです。様式的な皺や盲目面のように眼全体が刳り抜かれているのが特徴。いかにも温順な感じは出ますが、角度による表情の変化が極めて付き難い点、若い女面と好対照です。

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